おはようございます。管理統括 杉多です。
1月31日日曜と昨日深夜、NHKで興味深い番組が放送されました。「ママたちが非常事態!最新科学で迫るニッポンの子育て」http://www.nhk.or.jp/special/mama/qa.html 観られた方もおられることでしょう。
子育てで「不安」と「孤独」を感じる母親が多い現代、その原因のひとつは、卵巣で分泌されるホルモン「エストロゲン」が関係しているという深い内容。
また、出産後の妻が夫に抱くイライラ。これもホルモンの分泌量が影響するという報告です。これは「オキシトシン」という陣痛誘発剤としても使われるホルモン。「幸せホルモン」「癒しホルモン」ともいわれます。
他にも幼児の「イヤイヤ期」の秘密や女性の母性について興味深い話が盛りだくさんでしたが、本日は先の2つのホルモンに関する番組での内容をご紹介いたします。
まずは「エストロゲン」。妊娠中は分泌量が増えるが、出産すると急激に減少するとともに脳内で神経細胞の働きが変わり、強い「不安」や「孤独」を感じやすくなるとのことです。そんな面倒な仕組みは何のためにあるのでしょうか。 もともと人間はさかのぼること700万年前から子育ては「共同養育」つまり、他人の子どもも自分の子ども共に育てるという社会がありました。エストロゲンが出産後減ることは、母親を不安、孤独の思いに向かわせることで「共同養育」を促しているということ。みんなで助け合うことで、外敵やストレスから子どもや母親までも守りあい、こうしてヒトは子孫を残してきたのですね。
何百年もの太古からのみんなで子どもを育てるという「本能」が母親の身体には根付いていますが、戦後わずか数年であらわれた「核家族化」の下の現代人がそう簡単に対応できるはずがありません。生活スタイルの変化の早さに母親に備わっている本能がついていけない状態だということです。それで、ママ友を作りたい衝動や強い不安感を抱くということだそうです。それは本能的に当たり前のことで、母親の性格が軟弱だとか、心配性だとか、母親失格なのではなく、当然の現象であったということですね。
それから、出産後にみられる人に対してのイライラ。こちらは「オキシトシン」が関係しているそうで、出産時に脳下垂体から大量に分泌され、子宮を収縮させて出産を促す働きがあります。授乳中には乳腺を収縮させ母乳をだす。わが子や夫への愛情を深める作用がある一方、分泌が多いほど攻撃性が高まる作用があるようです。つまり、大切な人を守ろうとする中で、危険性や不快を感じさせる人に対して攻撃するということです。 研究調査では、家事育児で一日中ストレス状態にある母親でも、授乳中と、夫が妻と向き合って会話していた時だけが、脳はリラックス状態にあったそうです。つまり、母親は、自分の話が夫に受け入れられたと感じて(理解され、共感される)リラックスできたと調査では分析していて、それは特に夫から具体的なアドバイスや解決策がなくてもよいわけです。(わかってもらうだけでいい、、それって、出産後だけではないですね!) 母親自身だけでなく、夫や家族、ベビーシッターなど周りの人がこの仕組みを知り、理解することで、互いの関わり方も変わり、子育ての不安や孤独感も解消にむかうことでしょう。
長くなりましたが、子育てで自分を責めていた方がおられましたら、こうして最新の科学を知ることで気持ちが少し楽になることはありませんか。正直、もっと早く(せめて15年前には)このことを知っていたかった私です。
明日は「幼児のイヤイヤ期の秘密」と「母性は先天的なものではない」との内容を紹介いたします。